みなさんこんにちは、社畜サラリーマンから7年で家賃年収1億円になったきこりです。
私が運営している「ヤモリの家庭教師」という不動産オーナーのコミュニティの生徒さんや、周りの大家さんでは、収益物件と実需用物件どちらを先に購入すべきか、悩まれる方が多いです。
(実需用不動産とは・・・不動産購入者/所有者本人が自身の住居用に使用することを目的として購入/所有する不動産を指す言葉です。)
この記事の読者の方の中にも、夢のマイホームを購入してゆったり暮らしたい……と考えている方もいるかと思います。
一方、不動産事業を拡大していく上では、実需で不動産を購入することが、かえって自分の夢を妨げてしまう原因にもなりえます。
今回は、不動産事業をやりたい人に向けて、どのように実需用の家を購入するべきか簡単に解説していきます。
<目次> 1. 今回のテーマ 2. ポイント①:実需の住宅ローンも〇〇なので、場合によって〇〇に 3. ポイント②:不動産事業を大きくしたいなら、実需は〇〇の方が原則 4. ポイント③:それでも購入したければ年収の〇倍までが目安 5. 与信の算出について 6. まとめ
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今回のテーマ
今回は実需用不動産購入の考え方について解説します。
前提として、「不動産投資(事業)もやりたいけど家も購入したいな…」と思っている人向けとなります。
不動産事業をやっている人(もしくはやろうとしている人)は、住宅に関する事業を行っているだけあって家が好きな方が多いです。そのため、自分の好みを反映させた自分の家に住みたいという意識が強い方も多く、それに関する質問も多く寄せられています。
今回はそれについて、きこり先生の考える一般論についてお話していきます。
主なポイントは3つで、属性や事業のゴールに関わらず知っておくべきものとなっておりますので広く当てはまるだろうという部分を紹介します。
後半では知っておくべき与信の考え方などを簡単に解説していますので、ぜひ最後までご覧ください。
ポイント①:実需の住宅ローンも負債なので、場合によって足かせに
2022年9月現在、日本の住宅ローンの金利は低く、借りたいと思う方も多いかもしれません。
しかし、実需の住宅ローンも結局は負債(=借金)であるため、場合によっては不動産事業の足かせになります。
しばしば「住宅ローンだったら負債があっても大丈夫ですよね?」というような質問を受けることがありますが、銀行の視点では他の負債と同様に借金として見られており、住宅ローンだから大丈夫といった事実はありません。
あくまで負債とみなされて、投資ローンにとって足かせにはなってしまいます。
「だったら家買えないじゃん!」と思われたかもしれません、次のポイントに行きます。
ポイント②:不動産事業を大きくしたいなら、実需は最後の方が原則
不動産事業と並行して家を買うなんて無理じゃん…と思われた方、そうなんです。
不動産事業を拡大したいならば、実需向けの住宅は買わないほうがいいです。
2つ目のポイントは買う順番の話で、実需は最後の方が原則になります。
不動産事業を拡大していくためには、借り入れが必要です。 良い不動産事業は、借り入れをすることで、自分の資産と負債が大きくなり、しっかりとキャッシュフローが生まれて、決算書の純利益も黒字になります。
そうして、最終的にこれ以上お金を借りる必要がないという状態になり、自分のゴールを達成してから実需物件を購入すれば、今後の借り入れがないため当然融資には影響ありません。
逆に言えば、これ以上借り入れが必要ないと思ったタイミングが実需で住宅を購入するタイミングだということです。
きこりの実需購入はどうだったかというと、かつてはきこり先生も持ち家が欲しいと思っていた大家の一人でした。駅などに置いてある分譲マンションのチラシを見て、購入するつもりはないけど見に行ってしまうほど家が好きだったほどです。
しかし、当時の状況で実需用に家を購入することが自分の足かせなってしまうということを銀行から聞かされていたため、我慢していました。
一律に住宅ローンがある人の融資が全てNGというわけではないですが、厳しくなるのは確実です。
実際に、きこり先生が実需用に家を購入したタイミングは福岡に移住してきてからです。
不動産事業を優先するならば、不動産で完全に経済的に自立して、サラリーマンをやめても融資が出るような状態になってから実需を購入するという流れが一番良い方法です。
↑きこり先生が福岡で購入した家
ポイント③:それでも購入したければ年収の〇倍までが目安
とは言ったものの、家をどうしても買いたいという人や、買わなければいけない事情がある方もいるかと思います。
不動産事業を見据えて実需用に家を購入する場合、年収の5倍までを上限の目安にして買いましょう。
巷では年収の8〜9倍、年収が1500万円くらいなら10倍まで住宅ローンが組めるといったことが言われていますが、販売会社側が極力家を売りたいから成り立っているということを踏まえる必要があります。購入してもらうために頑張って大きい金額を引いてきてるのです。
銀行側の見方では、5倍以上のローンは少し贅沢だというように見られる印象があります。
5倍というと、年収1000万円の人なら5000万円までの家ということになり、都内で考えると少し物足りない印象を受けるかもしれません。
年収1500万円くらいの人ならば、実需で1億2000万円ほどの家を実需で購入すること自体は可能ですが、それを持って銀行に行って不動産事業をやりたいと伝えても、自己資金が5000万円あるなどの条件を除いて相手にされない可能性があることを認識しておきましょう。
与信の算出について
先程、実需で購入する際は年収の5倍までが上限と述べましたが、それはなぜなのかを解説します。
ここで重要になってくるのが、その人が月にどれくらい返済できるのかを示す支払可能見込額という数字です。
仮に年収1000万円の人がいたとします。その人が借金無しで不動産事業を始めようとして、銀行がその人の与信を1億円くらいと判断した場合、銀行はその人が月に返済可能な額をどのくらいだと判断するのでしょうか。
金融機関によって考え方は変わりますが、大まかな計算は以下のプロセスです。
1000万円のうち250万円くらいを税金で引かれると考えると手取りは750万円ほどになり、それを月換算すると60万円ちょっとになります。月の手取りから生活費などを考慮すると、月の返済の上限が40万円くらいになると判断できるため、銀行はこの人の月の返済上限を40万円とするのです。そこから逆算して与信枠が1億円というように決定されます。
さらに、その人が5000万円の家を買ったとします。月々の返済を35年、金利1%で行うと考えると月の返済は14万円になります。
この場合、残りの与信は1億円から5000万円を引いて残りは5000万円だと考えるかもしれませんが、そうはいかない考え方もあります。
それが、支払可能見込額調査を元にした考え方です。
月の40万円から月の支払い額である14万円を引いて、月の支払可能見込額を26万円だと考えます。そこから逆算して残りの与信も算出するのです。
最初に出てきた与信1億円は、月の支払可能見込額である40万円を元に出した数字です。
つまり、月の支払い可能見込額から逆算して残りの与信の総額が出るのです。
これにプラスして車や消費性のローンがある場合などはさらに支払可能見込額が減りますし、与信総額も減っていきます。
住宅ローンも他の負債と変わらずに支払い可能見込額から引かれるため、住宅ローンの金額が多いほど不利になるのは避けられません。
逆に不動産事業で負債を抱えた状態で住宅ローンは借りれるのか?と思った方もいるかも知れませんが、きちんと不動産事業を黒字で運営して、納税しているなら住宅ローンは下ります。
負債がある=住宅ローンが下りないというふうになっているなら、世の中の借り入れをしている社長はみんな住宅ローンが下りないことになってしまいます。きちんと事業を行っていれば金融機関の審査も問題ありません。
まとめ
実需を買ったことで不動産事業の道が閉ざされる可能性を知らないで購入することが一番のリスクだと言えます。
①実需の住宅ローンも負債なので、場合によって足かせに ②不動産事業を大きくしたいなら、実需は最後の方が原則
③それでも購入したければ年収の5倍までが目安
という3つのポイントを踏まえ、 自分の不動産事業の方針やゴールを設定して、より良い選択をしていってください。
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■ブログの筆者/きこり
北海道出身、元総合商社勤務。2014年から賃貸経営を始め、7年間で家賃収入が約1憶円を突破。現在は福岡県在住で不動産テック企業「株式会社ヤモリ」を経営し、賃貸経営の知見を活かして一般の会社員や主婦の方々向けに不動産による資産形成を寄り添って支援するサービス「ヤモリの学校」と「ヤモリの家庭教師」を提供しています。
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