前回の少し持ってる者の関東スキーム編は、高属性の人を対象とした関東における不動産事業の流れについて解説をしました。今回は、特に関東スキームで使える銀行に焦点を当て、不動産の販売業者をされているクリスティから北岸さんをお呼びして、実際に関東スキームで登場する銀行の解説をしていきます。ぜひ動画の方もご覧ください。
不動産投資・事業の基礎は持たざる者も少し持っている者も変わりません。まずは持たざる者の不動産事業で不動産投資の流れを一通り学んだ後、ヤモリの家庭教師では、少し持っている者の不動産事業もサポートしていますので、実際に取り組まれる方は是非ご検討ください。
〈目次〉
不動産の販売業者の方に銀行事情をインタビュー
クリスティと北岸さんの紹介
北岸さんの勤めているクリスティは、2021年時点で24年目の会社です。都内の物件も多く取り扱われていますが、会社自体は埼玉県の大宮にあります。
もう一社、富士企画という事務所を四谷に構えており、名前は違うものの代表やお客様の管理も一緒にやっているため、実質同じ会社が2社という形です。北岸さんは、主に販売の部分、物件の仕入れや銀行の開拓をされています。
日々の業務で名前をよく聞く銀行について尋ねると、最近だと静岡銀行、三井住友トラスト(L&F)をよく耳にし、更にクリスティだと月に1件ほど徳島大正銀行を扱っていると仰っていました。
関東にある個別の銀行解説に入る前に
都内在住だと使いやすい銀行
前提として、ヤモリの学校で話しているのは、築古のボロボロの物件をリフォームして利回り20%を目指していくというやり方です。しかし、都内にはなかなかそういった物件はありません。なので、エリアを広げてみたり、自分の地元に行ってみてくださいというようなことをお伝えしています。
都内在住の方は地方金融機関が使いづらいというデメリットがある一方で、都内に居ることで使いやすくなる銀行があるというメリットも存在します。
今回は、都内在住の方が使いやすい銀行についてお話を伺っていきます。前編では静岡銀行・徳島大正銀行・香川銀行を、後編ではオリックス銀行・三井住友L&Fを扱います。
後編の最後では、少し持ってる者のモデルケースもお話します。
不動産投資で静岡銀行に求められる条件は?
求められる年収、自己資金
年収700万円以上、自己資金として売買価格の約2割ほどを金融資産で持っていることが求められます。諸経費で1割分を払った後、手元に残り1割分くらいが手元にあるのが理想です。
自己資金が売買価格の2割に少し届かなかったとしても、担保ベースで話を勧めていくことができます。
※あくまで上記の条件はクリスティさんを通した場合の話です。どの業者もこの条件で通せるというものではないことをご了承ください。
融資するエリア
都内から1時間圏内、16号線圏内です。ですが、実際は埼玉の上尾(かなり大宮寄り)などの物件でないと扱われない場合があります。上尾でも桶川寄りなどになってくると、積算が売価と同じくらいといった飛び抜けていい物件でないと扱いません。基本的には都内から1時間が目安です。
茨城や群馬だとどんなに積算が高くても全く扱いません。16号線圏内の神奈川や千葉なら扱います。
積算の考え方
積算の掛け値の考え方は、ほとんど掛け値なしの積算通りとなっており、過去の実例で実際の価格を若干見てくるときもありますが、大体積算と同じくらいあれば基準を満たします。
また積算土地値と購入価格に乖離がある場合でも、自己資金の金融資産で埋められればローンが出ます。価格に対して積算が7掛けくらいあると基準に乗ります。
残債
既存の借り入れの残債額と静岡銀行から見た評価額に半分くらい乖離がある場合、その乖離をカバーできる程度の金融資産を持っていないと静岡銀行での取り組みは厳しくなります。
よって、最初の方に静岡銀行を使うほうが取り組みやすい言えます。
法人向け融資
法人での融資もやっています。個人に比べて法人の方が審査が厳しいといったことはありません。しかし、返済する方が代表となっている法人でないと難しいといったようなこともあります。
融資期間
基本的には一律で35年。完済年齢は80歳辺りなので、そこからの逆算も若干あります。
融資期間を長くとってくれるので、再投資する人やコツコツと与信を積み上げる人にとってはプラスです。
金利
一律で3.6%です。
追加融資の考え方
二軒目以上の物件の追加融資の考え方は、一棟目の物件を積算で見て残債との乖離を考慮して判断されます。極端に早い方だと、一棟目を買った半年後に二棟目を買ったりもします。
不動産投資で徳島大正銀行に求められる条件は?
求められる年収、自己資金
年収は800万円以上必要です。また、融資の割合がMAXで9割のため、価格に対してそもそも2割持っていてそれを出せることが前提となります。1割が頭金でもう1割が諸費用として必要なので、つまり自己資金は売価の2割が必要となります。
残債・戸数の考え方
戸数の考え方が重要で、今すでに持たれている物件がある方は、今持っている物件と次に買う物件を合わせて10室以下という制限があります。
何十室も持っている大家の支援といった事業性のある融資は行わず、個人の資産形成の一環というスタンスです。よって、ほぼ一棟目の方でないと取り組めない可能性が高いです。
積算
銀行担当によると6割とのことですが、クリスティさんの経験としては3〜4割だそうです。キャッシュフロー重視で返済比率の方を大事にしています。
融資するエリア
電車でも車でも、都内の支店から1時間圏内となっています。クリスティを通した場合、徳島大正銀行との付き合いがあるため多少融通が効き、1時間10分圏内ほどに広げることができるそうです。
最近は人口の増えている場所というのが重視されており、1時間圏内でも融資が下りなかったり、最大の9割融資ではなく7割融資といった数値に変わることもあるそうです。
法人向け融資
個人のみです。
金利
出来上がりで2.2%です。
融資期間
木造と軽量鉄骨は50年から築年数を引いた年数で、鉄骨とRCは60年から築年数を引いた年数です。
不動産投資で香川銀行に求められる条件は?
続いて、徳島大正銀行と同じホールディング会社の銀行である香川銀行について見ていきます。
求められる年収・自己資金
最低年収は600万円以上ですが、実際は600万円の方だと少し減額を食らったりすることがあるので、年収600万円の方が年収の10倍の物件を狙うといったようなケースだと難しくなります。
自己資金は徳島大正銀行と同じで、MAXで9割融資です。
融資するエリア
徳島大正銀行と同じです。
積算
ほぼ見ていないそうです。
法人への融資
個人のみです。
金利
出来上がりで2.5%前後です。徳島大正銀行よりも香川銀行のほうが少し高いです。
完済年齢
75歳です。
前編の内容はここまでとなります。
次回の銀行解説【後編】では、残りの銀行も扱っていきます。ヤモリの学校にメールアドレスをご登録いただくと最新の授業のご連絡と授業の説明資料が届きますので、是非こちらのページからご登録ください。
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ブログの筆者/きこり
北海道出身、元総合商社勤務。2014年から賃貸経営を始め、7年間で家賃収入が約1憶円を突破。現在は福岡県在住で不動産テック企業「株式会社ヤモリ」を経営し、賃貸経営の知見を活かして一般の会社員や主婦の方々向けに不動産による資産形成を寄り添って支援するサービス「ヤモリの学校」と「ヤモリの家庭教師」を提供しています。
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